興奮状態

稲葉浩志 2nd Single「KI」-困難の受け止め方-

UnsplashDameli Zhantasが撮影した写真

KI / 敬アイ」
このタイトルには、KOSHI INABAの
イニシャルの頭文字と、
敬愛(ジャケットに薄く敬アイと書かれている)
のふたつの意味がある。
敬愛とは、特定の人物に対する
深い愛情と尊敬。
また、その絆を示す際に用いられる言葉だ。
そんな稲葉浩志の敬愛が収録された
トリプルA面的シングルだ。

その生き方や感情は、
避けれない困難に対して、
どう向き合うべきかを示してくれる。

Release : 2003.06.11

AKATSUKI / 興奮状態

何をどうしたって生きていくうえで、
傷つくことは避けられない。
だったら、傷つくことを避けるような
弱気な生き方をするのではなく、
正面からぶつかっていく。

目標への最短距離感を突き抜ける。
死ぬこと以外、どんな肉体的、精神的な
ダメージも受け止めて、暁と告げる鐘とともに
再生を繰り返すことで、成長していく。

そんなタフな生き様が、
興奮状態のエネルギーで、
激しく歌われるロックナンバーだ。

"色あせない 魂のplayground
終わらせない I will com around"

魂のplayground=遊び場。
そこでは、翼をもがれ、
泥にキスしてしまうような遊具もある。
それでも、飽きることなく、色あせることなく、
また戻ってきては、さまざまな
遊具に挑んでいく。
多様なものに触れていくことで、
その成長を促進させていく。

"突き落とされよう 裏切られよう
何べんでもいい 浮かび上がれ
火の鳥のように お日さまのように
甦ろう 絶望などない"

立ち上がり、蘇り続けることで、
より強い肉体、精神がつくられていく。
そこには絶望なんてない。

"涙さえ流れない夜に
煌めく星を見て"
こうして、次のAKASTUKIへとつづいていく。

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静かな雨 / 穏やか

憂鬱な朝のほんの数分間の甘い妄想。
それを穏やかな感情で、
優しく歌われているバラード曲。

ストーリー性のある歌詞で、
より具体的に言語化された情景が、
自分自身も一緒になって、そのストーリーを
映像体験をしているような、
没入感のあるバラードだ。

静かな雨の降りそそぐ中、この曲の余韻に、
いつまでも浸っていたくなる。

憂鬱な朝の気持ちを和らげてくれる、
素晴らしいバラード。

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AKATSUKI Version S.S.S / 興奮状態

Spin Stealth Spikeによる
リミックスバージョン。
AKATSUKIのテーマの連続性が、
その激しい感情の部分にフォーカスされて
リミックスされている。

I’m on fire / 張り詰めた

心に宿る炎。その炎のゆらめきが
歌われたバラード曲。
ときに希望に満ちて、ときに憂慮して、
その張り詰めた感情が表現されている。

"まぶしい 記憶の波が押しよせて
今だに消えぬ一体感 捨て身になれる開放感
まっすぐ進む 曇りのない感情"

このフレーズでは、心の炎が、
希望に満ちて燃えている。

しかし、幸せばかりが続くわけじゃない。

"どうしようもない 敗北の甘い予感
もはや 止められない嵐
誰ひとり 傷つけないで生きられるなら
それは幸せだろうか"

もういっそ一人のほうがいいのではないか。
そうすれば、誰も傷つけることはない。
悲しみも、もちろんそこには喜びもない。
それが幸せかどうかわからないけれど、
不幸ではないかもしれない。

そんな不安や孤独の感情が、
止められない嵐となって、
心の炎を大きく揺らす。

"その手をはなしちゃいけない"

曲調が変わり激しくなったサウンドのなか、
稲葉さんのシャウトも加わり、この決心の
揺るぎない力強さが、聴く人の胸を打つ。

"I'm on fire I'm on fire
君を想うだけで 息がとまりそうで
I'm on fire I'm on fire
ほんの小さなことが涙を誘う
誰にも消せない炎
僕たちが 今だけを生きられるなら
何も恐いものはない..."

そうして心の炎は、
消えることなく燃えつづけていく。

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AKATSUKI Version O / 精力的

オーケストラバージョンの
インストゥルメンタル曲。
蘇りつづけるエネルギーが、
より壮大なアレンジで表現されている。

逃げ出さずに正面から向き合うこと