UnsplashのMathew Schwartzが撮影した写真
“一人ひとりが持つ個性を輝きとして肯定してくれる”
自分の理想に届かないことや、答えが見つからないことが、輝きを失う理由にはならないはずだ。
挫折や迷いを感じる瞬間。自分の理想は、必ず現実という壁に突き当たる。
たとえいまは結果がでなくとも、挑戦を続け進んでいく姿は輝きを放っている。
B’zが語った「STARS」というタイトルに込められた想いは、彼らの音楽活動を支える全ての存在への感謝と希望が感じられる。
『これまで作ってきた楽曲、デビューから応援してくれているファンの皆さん、そして、B’zとしてさらに、どこか目指して進んでいくその先にあるもの-このかけがえない存在すべてが「STARS」』
きっと誰もが輝ける存在である。
Release:2023.07.12
STARS / 生き生きとした
一人ひとりが持つ個性を、輝きとして肯定してくれる前向きなロックナンバー。
これまでのB’zの歩みと、彼らの新たな挑戦が融合した楽曲だ。ポップなロックをベースにしつつ、ブルースの要素を取り入れることで、サウンドに奥行きが生まれている。
オーニングでは、手拍子でのリズム、ライブ感のあるアレンジで歌われるサビのメロディーが、特別な空間にいる没入感を生み出している。
“We’re all stars
Burning stars
We’re all stars
Shining stars”
シンプルな表現だからこその浸透力と力強さが、リスナーの心を打つ。
Aメロでは、自分を変えたいという願望と、それに伴う小さな失敗や挫折が描かれている
“Yesterday 髪を切ったで
ここんとこ自分のスタイルつまんなくて (気づいてよ)
なんであいつっぽくならないのかって
際限のない嘆き節(よくわかります)”
理想像に届かないことへの失望は、多くの人が抱える感情だろう。自分を変えられるかもしれないという期待と、思った通りにならなかった落胆。
身近な失敗を通して描かれる嘆きが、リスナーに共感を与えてくれる。
Bメロは、そんな自分の不完全さを、否定せずに認めるニュアンスで歌われる。
“足りないものばかり気になるね”
きっと、人生は理想的ではないかたちで進行していくことのほうが多いのだろう。
僕たちにできることは、自分への許容と反省の気持ちを持ちながら、その事実を正面から受け入れることだろう。
そしてサビ2では、様々な感情や状況、経験こそが、輝きを形作る要素であるということが歌われている。
“燃え上がる stars
空を舞う stars
答えを探し どこに辿り着こう
目も眩む stars
われらみな stars
荒ぶる風にまた吹かれよう fly high,high”
今はまだ自分の人生や目標に対して、明確な答えを持たないままでもいい。
自分の理想に届かないことや、答えが見つからないことが、輝きを失う理由にはならないはずだ。風が吹くからこそ、もっと高く飛べる。
そしてCメロでは、解放感に満ちたポジティブなメッセージと力強い歌声が、思い切って前へ進む気持ちを後押しくれる。
“Woo 見てごらんよ 眩しいだろう (眩しいだろう)
だれもかれも必死だよ(必死なんだ)
さぁくよくよすんな もう遠慮はいらない”
だれもが自分なりに努力しながら輝く。そんな他人の輝きを素直に認め、リスペクトすることで生まれる解放感。
このフレーズの積極的な言葉が、前に進もうとするその心を奮い立たたせてくれるだろう。
自分の理想は、必ず現実という壁に突き当たる。「輝き」は、成功や成果とだけ結びついているわけではない。
理想への過程を否定せずに肯定し、前向きに生きることの大切さを教えてくれる。
Dark Rainbow / 衝撃的
暗闇のなかにある希望や真実。それを能動的に追い求めていく姿勢が描かれている疾走感のあるロックナンバー。
自分の意志と行動が、未来を切り開く力になるというメッセージが貫かれている。
ダークな音作りを基調とすることで、その上で歌われるメッセージのアグレッシブさが、より一層際立っている。
A〜Bメロでは、内面の葛藤や孤独感が歌われてる。
“傘なんかさすもんか
止まれずとも歩いてゆく
見慣れた街の灯も
そっけなく遠のいてゆく
この雨は誰が降らすの?”
困難や逆境を避けるのではなく、あえて受け入れて進んでいこうとする姿勢。
日常の安心感や親しみは薄れていく。自分に降りかかる試練について自問し、葛藤を抱えながらも進んでいく。
サビでは、そんな状況のなかでも、希望や目標を見つけ出し、それを取り戻すという強い意志が感じられる。
“吹き飛ばしてやりましょう
意地悪な黒い雲を (let the wind blow)
探し出してみせましょう
塗りつぶされた虹を (catch the rainbow)
あなたなら何を守る”
どんな困難の中でも守り抜きたい自分にとって本当に大切なもの。それが、暗い状況を打破しようとする強い意志と前向きなエネルギーを生んでくれるのだろう。
そしてラストのサビでは、自ら行動し希望を掴み取ろうとする姿勢が歌われている。
“びしょ濡れになりましょう
後戻り出来ないなら(let yourself go)
輝かしてみせましょう
消されそうなあの虹を(catch the rainbow)
サヨナラしながら I’ll be there
Yeah,I’ll be there (I’ll be there,I’ll be there)”
過去を振り返るのではなく、前を向いて進むしかない状況。
希望や夢がかき消されそうになることもある。それでも、失われそうなものを自分の力で、再び輝かせるという決意。
「I’ll be there」という言葉は、その輝く未来に、きっとそこに自分はいるという意味だろう。このフレーズが何度も繰り返されることで、どんな状況でも変わることのない決意が伝わってくる。
暗闇があるからこそ、光はより強く際立つ。
ペインキラー / 神経が高ぶる
癒しと依存の境界線。 相手の状態に自己価値を委ねてしまう、そんな不健全な関係性が生み出す愛情。
ペインキラー (painkiller)の日本語の意味は「鎮痛剤」や「痛み止め」だ。
自分を、相手を癒す存在と位置付けながらも、その相手の痛みを求めているという矛盾。
B’z特有の力強いサウンドと、稲葉さんの歌詞が、感情の深さや愛情の歪みを鮮明に描き出している。
Aメロでは、報われない愛情であることを知りつつも自分の愛情や献身に価値があると思い込もうとする主人公の姿が描かれている。
“ワタシ、アナタのペインキラー
その頬が緩むのを見ては震え
生きてること噛み締めりゃ
惨めなんかじゃない”
痛みを和らげる「一時的」な存在。たとえ一瞬でも、癒されたような反応が幸福感を与えてくれる。
その献身的な姿勢に自分の美しさや、誇りを見いだしながらも、その心情には、どこか切なさや痛みが漂っている。
2番のサビでは、「強く求める気持ち」と「その儚さを理解している冷静さ」の間で、揺れ動く心情が歌われている。
“ハマってくださいどっぷり今は
いなくて済むならその方がいいなんて
I know 時間とともに
波のように消える”
自分の必要性に疑念を抱きながらも、せめて今だけでも完全に自分に夢中になってほしいという切実な願い。
「波」という比喩が、感情の揺れ動きや一時的な高まり、そしてそれが静かに消えていく、そんな様子を象徴的に描写している。
ブリッジパートでは、関係性の中に潜む孤独や人間関係の本質的な儚さが描かれている。
“夕暮れは偽りなく
ふたりを染めた
覚えてるのはたぶんひとりだけ
誰もが同じ場所なんて
見ちゃいない”
どんな感情や背景があったとしても、夕暮れという美しい瞬間がふたりを包み込んだ。
完全には分かり合えないとしても、その瞬間に感動し、美しさを感じたことが自分にとっては特別だったはずだ。その思いは、美しくも切ない強さを感じさせてくれる。
3番のサビでは、それでも、つながりを求める切実な想いが込められている。
“触れない場所があってもいいよ
映えない包帯の役割でもいい
ほんの束の間でいい
こっちに手を伸ばして”
全てを分かり合えなくても良い。自分の役割が目立たなくても、その痛みをそっと癒やしたい。永遠を求めるわけではなく、一瞬だけでもいい。
その謙虚さや切なさが胸に迫ってくる。そんなつながりへの願望が切なくも、美しく表現されている。
そして最後のサビでは、傷を伴う愛を理想化し、なお深く結びつくことを肯定していく。
“ハマってくださいどっぷりずっと
ワタシ無しではダメになって欲しい
いつか傷だらけで
抱きしめ合えたらね”
もちろん、このフレーズには、単なる癒しから、共依存や相手への支配欲を含んだ歪んだ愛情への変化が描かれている、という解釈もあると思う。
しかし、「お互いの弱さや傷を受け入れる愛」というポジティブな解釈もあると思う。
痛みを和らげる存在とそれを必要とする相手という関係を越えた、その先の理想の愛の形が描れているのではないだろうか。
正しく癒し合える対等で相互的な関係。真の癒し、真のつながりを信じる力強いメッセージが響いている。
誰かに「必要とされたい」という渇望のあまり、一方的に相手を支えようとした経験。相手にとっての「特別な存在」でありたい願望。自分の価値を他者との関係性に求めること。
この曲は、そんな愛情の中にある美しさと痛み、希望と矛盾が表現されている。
完璧ではない人間同士のつながりの肯定し、それでも共に在りたいと願う気持ちがリスナーの胸を打つだろう。
不完全な形であっても互いに寄り添うことに、きっと意味はあるはずだ。
君の中で踊りたい 2023 / 満ち足りている
1989.05.21にリリースされたシングルから、34年を経てリレコーディングされた楽曲。
新しいアレンジが加えられることで、懐かしさと新鮮さが見事に融合し、新しい魅力を放つナンバーとなっている。
長い年月を経たB’zの進化と、彼らの不変のエネルギー、そして音楽への情熱を改めて感じることができる。
また、リスナー自身の人生の歩みも映し出され、当時の思い出や感情と、現在が繋がる感覚は、特別な体験だと言えるだろう。まさに「音楽で時を繋ぐ」瞬間だ。
そしてオリジナルを知るファンだけでなく、初めてこの曲に触れるリスナーにとっても魅力的なロックナンバーとして響くはずだ。
時代を超えて愛される普遍的な魅力がある。初めてこの曲を聴く若い世代にとっても、B’zの魅力を発見するきっかけとなるだろう。
ここにオリジナルのPVの乗せておくので、ぜひB’zの進化を「君の中で踊りたい 2023」を聴いて確かめてみてほしい。
「We’re all stars」