精力的

B’z DIGITAL EXCLUSIVE SINGLE「鞭」-自己に対する厳しい挑戦-

Image by Marion Grimm from Pixabay

“その苦しみや痛みが、自己の限界を超える力になる”

桐谷健太主演のABEMAオリジナルドラマ「インフォーマ -闇を生きる獣たち-」。

このドラマに書き下ろした主題歌「鞭」

自己を奮い立たせるための痛みとエネルギーが表現されたロックナンバー。その中に人間的な迷いや葛藤が巧みに織り交ぜられ、強さと繊細さが交錯するサウンドがリスナーをその世界観のなかへと引き込んでいく。

この曲について、B’zが次のコメントをしてくれている。

ついつい自分に鞭打って頑張り過ぎてしまい、たまにそれがちょうど良い塩梅なのかどうかわからなくなる。
でもその苦悩の中をやはり突っ走ってしまうという人間のテーマソングです。
みなさんはどうでしょうか?

B’z 松本孝弘 / 稲葉浩志

自己に対する厳しい挑戦を続けるB’zだからこその説得力とリアリティで溢れたこの曲を、ぜひ堪能してみてほしい。

Release:2025.01.16

鞭 / 精力的

人は、単に理性や意志の力だけで進むのではない。ときに本能的な衝動や抑えきれない欲求に突き動かされながら前進していく。

己を奮い立たせるその苦しみや痛み。その苦痛が、自己の限界を超え、なにかを成し遂げる力に変わっていくというメッセージが「鞭」というタイトルに込められている。

力強いリフを基盤に、自らを追い込み前進していくエネルギーを表現しながらも、メロディやサウンドの抑揚が、迷いや葛藤を同時に浮かび上がらせていく。この複雑な感情とコントラストのあるサウンドが融合し、深みのあるロックナンバーに仕上がっている。

Aメロでは、目標に向かって進む中で感じる不快感、そこに他人からの視線が入り混じり、追い詰められていく心理状態が描かれている。

ひんやり汗が背中つたい不愉快
どんよりめまいしてゴールは歪む
ニンマリにやける誰かの顔が浮かんで
思わず君は絶叫

目標としたゴールは遠のき、もう手が届かないような感覚。そんな緊張やプレッシャーに飲み込まれ、冷や汗が身体をつたっていく。

挑戦が失敗しそうになること対する誰かの嘲笑。そしてその悔しさ、自身の弱さを振り払うように叫び、その心を奮い立たせる。

Bメロでは、自分に厳しく、その行動や努力を強制していく姿が描かれる。

放り出すんなら恥の甲斐もない
そう言ってまた自分を鞭打つの?

ここで投げ出してしまったら、積み上げてきた犠牲が無駄になってしまうという気持ちと、諦めてもいいという甘え、矛盾した感情がせめぎ合う。

それでも、諦めることも一つの選択肢だという弱さや諦めの感情を叩き伏せ、前に進もうとする決意の強さが表現されている。

サビでは、他人の目を気にせず、自分の信念に従って突き進む姿勢が描かれてる。

無茶したいんでしょ?どうしても
みっともなさも平らげて
馬鹿みたいに汗まみれ
ココロとカラダ追い込んで

挑戦することの格好悪さや苦しさ。はたから見れば滑稽にさえうつる。そんな状況を受け入れ、肉体だけではなく、その精神にも負荷を与えながら、突き進んでいく。

「どうしても」というフレーズには、自分でも抑えきれないほどの衝動が表現されており、その努力をちょうどいいところで止められない心情が反映されている。

最後のサビでは、逃げ場のない現実の中で、自分自身の行動によって未来を切り開く必要性が示されている。

無茶苦茶したいんでしょ?どうしても
他に行くとこ見えないから
自分次第だよその先は
想像ばっかりじゃ寂しい

自分の想像の世界に浸っていれば、目先の安心感は得られるかもしれない。それでも行動せずにただ考えるだけでは、現実は何も変わらないし、充実感を得ることはできない。

ときには、自分の中に潜む理性ではコントロールできないほどの衝動的な欲望と、挑戦する以外に選択肢がないという切迫感が、行動を引き出すための強力な原動力となる。

自分の意思や行動が未来を決定するという厳然たる現実が響いている。

そして、ラストは「鞭」というテーマを多面的に掘り下げたメッセージが歌われる。

ムチウチナ
ムチナママ
ムチニムチュウ
ナンノムチ

ときには知識や準備が不十分でも、挑戦をする行動力が必要だ。すべてを知り尽くそうとしていては結局何もできないまま終わるだろう。

本能や欲求が理性を超える瞬間。他のことが見えなくなるほど夢中になって目標に向かって突き進みながらも、その挑戦の本質的な意味を自分に問いかけ、その行動の背景にある意義や目的を見失わないことが大切だ。

行動を起こすことではじめて未来が切り開ける。そこで感じる苦しみ、痛みに焦点を当てたこの曲は、リスナーに、投げ出すことなく、試練を乗り越えようとする覚悟を鮮明に感じさせてくれる。

“自分次第だよその先は”